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『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』レビュー 歴史から見出すもの

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 映画レビュー

第二次世界大戦時の英国首相、ウィンストン・チャーチル。

彼に対してあなたはどんな印象をもっているでしょうか。頑固親父で葉巻が似合おう男であったり、英国を勝利に導いた立役者であったり、強い男としてのいいイメージがあるかもしれません。

しかし強いということは彼の一つの側面に過ぎません。一つの家族の長であり、父親であり、上司であり、失敗をおかしてきた一人の男でありました。

そんな人間としてのウィンストン・チャーチルをアカデミー賞主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマンの熟達の演技で楽しめる映画です。

歴史が好きな人、チャーチルに興味がある人、当時のイギリスを知りたい人、いろいろな人にぜひオススメしたい映画です。とってもおもしろかったのでレビューを書いてみます。

あらすじ

第2二次世界大戦期イギリス、ドイツの度重なる挑発に有効な対策を立てることができなかったチェンバレン首相は退陣を余儀なくされ、新たに強いリーダーが求められていた。

政界一の嫌われ者ウィンストン・チャーチルは唯一野党の協力を得られる者として首相となる。念願かなったチャーチルだったが、ヒトラー率いるドイツの猛威にさまざまな苦難と葛藤が立ちふさがっていたのだった。

『ウィンストン・チャーチル』出演・ジャンル

公開:2018年3月31日
監督:ジョー・ライト(PAN ネバーランド)
出演:ゲイリー・オールドマン(ダークナイト、キミとボクの距離)
           クリスティン・スコット・トーマス(パリ3区の遺産相続人)
           リリー・ジェームズ(ベイビー・ドライバー)
公式サイト:映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』オフィシャルサイト

実話をもとにした歴史映画。歴史ものだからといって固いものではなく娯楽作品としても十分以上に楽しめる贅沢な作品です。

主演のゲイリー・オールドマンが第90回アカデミー主演男優賞、辻一弘さんがアカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したことでも話題に。

『ウィンストン・チャーチル』レビュー

Darkest Hour One Sheet ポスターTwo new posters for Darkest Hour featuring Gary Oldman as Winston Churchillより引用)

夫として父親としてのチャーチル

映画では夫としてチャーチルがフォーカスされていましたが、 彼も家庭をもつ一人の人間なんだなと認識させられました。

ウィンストン・チャーチルを政治家としての側面でしか考えたことがなかったとしても、新鮮な目線でチャーチルを客観視することができます。

そうした一人の家庭をもつイギリス人としての彼が投影されることで、政治家としてなされるさまざまな決断に深みが生まれていることを感じました。

政治家としてだけではないチャーチルの姿から、彼の葛藤と苦難に立ち向かう姿勢がより鮮明に伝わってくるんじゃないでしょうか。 

首相に就任してからダンケルクまでの2週間をえがく

映画には時間の制約があります。あれもこれもとつめこんでいくと、上っ面ばかりで内容の薄い映画になってしまったなんてこともこれまで何度か目にしてきました。

その点『ウィンストン・チャーチル』はチャーチルが首相に就任してからダンケルクまでの2週間がえがかれます。

長すぎず短すぎず、チャーチルや周りの人物の内面まで迫ることができる時間になっています。

多くの人の2週間と比べてみるとその密度の違いや、とんでもないです。

次から次へと苦難がふりかかり、そりゃ政治家を続けていくなら嫌でも強くなるやと心底思いました。

当時のイギリスを生きる人達、ウィンストン・チャーチル、周りの人々に鮮やかに迫り、心地よい読了感を味わうことができる映画です。

ゲイリー・オールドマンの熟達した演技とメイクアップ

ウィンストン チャーチル メイクAbemaTIMESより引用)

2017年アカデミー賞主演男優賞受賞

これだけでもゲイリー・オールドマンの演技がすばらしいことがわかりますが、実際に『ウィンストン・チャーチル』を見てみるとその思いはさらに強くなりました。

実際のチャーチル首相は写真でしか知りませんが、映画を見ているとチャーチルそのものにしか見えなくなりました。それくらい観客を信じさせる演技力があります。

アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した辻一弘さんの特殊メイクもあわさって、映画の中の彼こそがウィンストン・チャーチルなんだと思い込まされました。すばらしいです!

人間はどこか説明できなくても本能的に違和感をかぎとってしまうものですが、この映画ではまったくなく、最後まで映画に集中することが出来ました。

ゲイリー・オールドマンと言えば、多くの人に知られているのがクリストファー・ノーラン版ダークナイトのゴードン警部でしょうか。ダークナイトとの特別な関係性がとても魅力的でした。

最近観たなかではNetflixオリジナル映画『キミとボクの距離』にも出演していましたね。こちらは今作のステッキでカツカツ歩いているチャーチルとは違い、必死に走ってるゲイリー・オールドマンが見られるのでオススメです笑

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歴史映画はある程度史実を調べるのがオススメ

ウィンストン・チャーチルを観るときは事前にある程度下調べをすると更に楽しめる

『ウィンストン・チャーチル』は歴史的な事実をもとに話が展開されます。

いつだれがなにをしてどのような結果になったのか、現時点で明らかにされている事実を出来うる限り調べ、それをもとに映画が構成されています。

またさきほど述べたように映画で流れる時間は2週間です。

しかし、当然のことながら”ウィンストン・チャーチル”という人間は2週間しか存在しなかったわけではありません。

映画でえがかれる彼の生き様、性格、振る舞い、人間関係はどのような生い立ち、どのような出来事から形作られていったのか。それを知ることで『ウィンストン・チャーチル』はさらにわくわくするものになります。

もちろん専門書を読もうなんてことではなく、Wikipediaを流し読みしておくくらいで十分です。幼少期は劣等生だったことや、父親も首相候補までいったこと、さまざまな大臣をつとめそこでなにを為したのか、事実を知れば知るほど自然とウィンストン・チャーチルに並々ならぬ関心をもって映画にのぞむことになるでしょう。

時間がないと私のように上映時間ギリギリまでチケット売り場でWikipediaを読むことになるので、余裕を持って観るようにしましょう。

チャーチルのWikipediaページは長いです…!!

歴史を見つめなおすということ

よく歴史から学び、同じ過ちを繰り返さないことが言われます。

しかし私たちはどれほど歴史から学ぶことができているでしょうか。実際に『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』を観るまで、私にとってウィンストン・チャーチルは第二次世界大戦において連合国側を勝利に導いた立役者の一人という存在で、彼にも愛妻家であるというような人間的な側面があるなんて考えたこともありませんでした。

チャーチルが残した言葉にこんなものがあります。

成功も失敗も終わりではない。肝心なのは続ける勇気だ。

世の中に完璧超人はいません。いたとしてもフィクションの中だけです。

歴史からなにを見出すかは人それぞれですが、「偉大な人物だったから」だけで片付けてしまうことはしないようにしたいなと思います。

エンタメ作品として、歴史映画として、ぜひいろいろなひとにオススメしたい作品です! ぜひどうぞ!

 

私の好きな歴史系Web小説でもよくイギリス側でチャーチルが登場します。こちらもいろいろなチャーチルのイメージがあります。ぜひ1話をのぞいてみてください。

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