なぜ『マーキューリー計画』が『アポロ計画』に?!邦題の原因を考えてみた

本日、衝撃的なニュースがながれてきました。

ん????

なにかがおかしい…

確認してみたら、案の定「アポロ計画」ではなく「マーキュリー計画」がテーマでした。

デジャヴです。脱力感を感じます。というのも、このまえマイティ・ソーについても、愚痴ったばかりだから…。


ディズニーの次は、20世紀FOX。これはもう担当者のセンスの問題じゃなくて、なにか構造的な問題があるのではないでしょうか。

なぜこうした問題が起きるのか、どうすれば防げるのか考えてみました。

【追記】

批判をうけてか、タイトルが変更となったようです。まさか本当に変わるとは思っていませんでした。ありがとうございます。

今回の問題

考えていく前に、まず今回の経緯から。

この映画は『Hidden Figures』という原題で、すでにアメリカでは公開されています。日本で公開された『ラ・ラ・ランド』以上のヒットを記録した作品です。

アメリカ初の有人宇宙船をとばすための「マーキュリー計画」の裏側に、黒人女性がいたという実話をもとにした伝記映画となります。

原題を訳すと、「隠されていた人々」みたいなニュアンスです。

実際、アメリカでもほとんど知られていなかったみたいで、その驚きがヒットにつながっているように思います。

日本ではあまりうけないことが予想されるためか、公開は決まっていなかったんですが、このたびやっと決まったという経緯がありました。

そして、喜んだのもつかのま、なぜか邦題が『ドリーム:私たちのアポロ計画』になっていたのです…。

『ラ・ラ・ランド』超えの大ヒット!NASA躍進の陰にあった黒人女性たちの映画、ついに日本公開 – シネマトゥデイ

なにか悲しい

見出しで悲しい思いを表現したくなるくらい悲しいです。なぜこんなことになってしまったのでしょう。

ふつうに『知られざる人々:マーキュリー計画』とかでもよかったと思うのに。(『インビクタス/負けざる者たち』みたい)

「アポロ計画」にかえたということは、「マーキュリー計画」だとみんな興味をもってくれないという考えなのでしょうか。

そうだとしたら、あまりにもひどい。

映画を制作した人たちや、当時を生きた人たちにたいする侮辱だし、伝記映画としてあってはならないことです。

世間の人に興味をもってもらい、映画館にきてもらうようPRするのは配給と興行を担当する会社の仕事です。それをタイトルを変更することによって達成しようとしたのならば、映画に対して、歴史に対して失礼だと思います。

マーキュリー計画なら、セーラーマーキューリーにつなげて関心をもってもらうだとか、人権問題から教育方面へはたらきかけたりだとかいろいろできるはずです。

なんだか悲しくてしかたありません。

配給会社のコメント

ここまで書いたところで、さっそくBuzzFeedが記事にしているのを見つけました。

タイトルと内容が違う…?大ヒット映画の邦題「私たちのアポロ計画」に批判の声 配給会社に聞く

この邦題はどんな経緯や意図で決まったのでしょうか? 同作を配給する20世紀FOXの作品担当者に聞きました。

「映画の内容としてはマーキュリー計画がメインであることは当然認識しています」

「その上で、日本のお客様に広く知っていただくための邦題として、宇宙開発のイメージを連想しやすい『アポロ計画』という言葉を選びました」

原作のノンフィクション「Hidden Figures」(「隠された(人たち/数字)」のダブル・ミーニング、映画原題と同じ)では、マーキュリー計画に関するエピソードだけでなく、より前後に広い時間軸が描かれているそう。

「どちらも当時のNASAで並行して動いていた宇宙開発計画であり、最終的にアポロ計画につながるものとも捉えられる」と説明します。

邦題を決める際に「確かに懸念の声も上がった」としつつ、「作品の本質にあるのは、偉大な功績を支えた、世の中では知られていない3人の女性たちの人間ドラマ。ドキュメンタリー映画ではないので、日本のみなさんに伝わりやすいタイトルや言葉を思案した結果」と判断の理由を話します。

BuzzFeed記事より引用)

うーん…。「伝わりやすい」ということをはきちがえていないでしょうか。

本来邦題というのは、原題では日本人につたわりにくい製作者の思いをくみとってつけることだと思います。それを軸に、どうしたら多くの人に興味を持ってもらえるかを考えて、邦題ができあがるのだと思っていました。

『sister act』の『天使にラブソングを』しかり、『Boy Hood』の『6才のボクが、大人になるまで。』しかり。

なんでもかんでもわかりやすさを重視するようになっているような気がします。

なぜ起きるのか?

タイトルから観る作品を選ぶ

こうした邦題の問題は定期的におきています。近いところだと、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』、『マイティ・ソー バトルロワイヤル』が論争になりました。

こうした問題はなぜ起きるのでしょうか?

日本では年間800本以上の映画が公開されます。それに対して、日本人が映画館にいく回数は平均して1回です。アメリカの4回と比べると、悲しいくらい少ないです。

こうなると、タイトルは見る映画を決める大きな判断基準になります。

営利企業としては、タイトルをわかりやすくして、年間1回しか映画館にいかない層もとりいれないといけないのでしょう。年間10回はいく私のような映画ファンとは、そもそも視点が違うことが考えられます。

実写化映画の氾濫

近年映画業界は空前の実写化ブームです。映画になるのは、すでにある程度知名度のある作品ばかりという状況があります。

こうなるとただえさえ少ない映画館の鑑賞回数を、それらの実写化映画に奪われることになってしまいます。

おのずとわかりやすく、興味のひかれるようなタイトルをつける必要にせまられます。(ブログのSEOのためのタイトルみたいな感じです。なにか微妙な気持ちになりましたw)

なんだか、やりきれないですね。

つけたい邦題と、つけなければならない邦題が違うこともあるのでしょう。しかし、そうであっても今回の邦題は、許容できません。

解決手段は?

映画料金の値下げ

一番効果がありそうなのは映画料金の値下げです。

映画の鑑賞体験はすごい勢いで進化しています。数年前には4Dなんて考えられませんでした。そしてその分、鑑賞形態によって料金は多様化している状態があります。

IMAXは1,800円、4Dはときには3,000円以上。

単価があがっているのだから、これまでの通常の鑑賞は1,000円、いや900円くらいに値下げするべきでしょう。

こうすることで、映画を気軽にみにいける趣味として、大作以外の作品にも足を運んでくれるのではないでしょうか。

そしてタイトルも、過剰にわかりいやすいものをつける傾向はなくなっていくのではないかと思います。

まとめ

『マイティ・ソー バトルロワイヤル』につづき、今回の『ドリーム 私たちのアポロ計画』です。これまで思っていたことが爆発して、いろいろ書いてしまいました。

しかし映画自体はとても楽しみなので、映画館に観にいこうと思います。盛大にぐちってなんですが、とても興味深い映画なのでみなさん映画館にいきましょう。映画は9月29日公開です!

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